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自衛隊はブラックか!?『自衛隊員が泣いている』三宅勝久著 読了!

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自衛隊員が泣いている




自衛隊はブラックか?

ジャーナリスト三宅勝久さんの渾身のルポルタージュ『自衛隊員が泣いている』 (花伝社) を読み終えました。8月4日に行われた飛松五男さんの東京講演後の懇親会で、三宅さんにサインして頂いた貴重なご本ですが、帯にもある様に自衛隊内での隊員の自殺やいじめ、パワハラなど実に盛り沢山!日頃警察の腐敗を伺う機会が多い私ですが、自衛隊が組織防衛の為とは言え、仲間を切り捨てる冷酷さでは警察より上手な気もしました。最大のタブーの裏金にも言及しており、自衛隊の救い難い腐敗っぷりはまさに滑稽でした。果たして自衛隊は、国民の信頼を取り戻せるのでしょうか?

読み進むうち、徒労感が溢れるのを覚悟してお読み頂きたいのですが、自衛隊の可視化はできるのでしょうか?敢えてこの難問に挑んだのがジャーナリストの三宅勝久さんです。私が一番関心のある「護衛艦・たちかぜ事件」は、P.14から書かれています。この事件は横須賀でも広く知られていますが、古株のS2曹が、新人のI1等海士を陰湿ないじめにより自殺に追い込んだ事件です。部下への虐待は常軌を逸している感があるので、個人資質にもよるかとは思いましたが、エアガンや電子銃での部下への試し打ち?はやはり何か病的な気もしています。2004年に起きた事件ですので、風化しつつあるかも知れませんが、「艦内生活実態アンケート」を隠ぺいした事で記憶にある方もいらっしゃると思います。虐待した当のS2曹は、裁判で有罪判決を受け、その後自衛隊から懲戒免職処分を受けましたが、I1等海士の自殺事件への関与は不問にされたそうです。ここが自衛隊の闇の部分なのですね。本書ではプロローグでこのたちかぜ事件が詳細に書かれていますが、それだけ三宅さんが精魂を込めたと言うことでしょう。以下の通り、本書にはこれでもかこれでもか・・・と、上官による自衛隊員への常態化したいじめについて書かれています。俄には信じられないと思うかも知れませんが。。。




*プロローグ 護衛艦「たちかぜ」アンケート事件

*第1章 濡れ衣 
・25歳自衛官を自殺に追い詰めた警務隊の濡れ衣捜査
・釧路駐屯地糧食班冤罪事件
・1等空尉が告発する警務隊の無法捜査

*第2章 暴力「命の雫」事件―徒手格闘という殺人訓練 護衛艦「しらゆき」の陰惨な日常

*第3章 隠蔽
・取引業者から高級車を「プレゼント」された海自司令官
・防衛省が捨てた「負傷兵」―クウェート米軍基地ひき逃げ事件

*第4章 破滅(一九歳自衛官タクシー運転手殺害事件)

*エピローグ 加藤好美元1等陸尉インタビュー




そもそも三宅さんが自衛隊が抱える闇について取材しようとしたキッカケは、どうやらサラ金問題だったようです。このたちかぜ事件の前には、1999年に起きた海上自衛隊佐世保基地に所属する護衛艦さわぎりでの「さわぎり自殺事件」への取材を開始しています。このさわぎり事件については同じくプロローグのP.24から詳しく書かれています。自衛隊でのいじめで初の国賠訴訟に発展したこの事件は、原告の第二審での逆転勝訴判決が確定したようです。これ、凄いことですよ。組織ぐるみでの隠ぺいですから、新しい証人が現われなかったら敗訴していたことでしょう。因みに国賠訴訟の原告勝訴率は、わずか6%なのです。

ここから第1章が始まります。
何もここまで子供じみたいじめをする必要はないし、それを苦に自殺するのは理解できない方も多いと思いますが、やはり自衛隊の任務の特殊性からストレスのはけ口としてのいじめが常態化していたのかも知れません。25歳の若者を死に至らしめた「手提げ金庫事件」はまさに、ターゲットにされた若者が死に、真相は闇の中では、親御さんの悲しみが癒える筈もありません。大事な息子を自衛隊に入れたいとは私自身は思いませんが・・・せめて真相の究明がなされていれば・・・。今も捜査中だなんて、笑ってしまいますね。この章には、他に「釧路駐屯地糧食班冤罪事件」も書かれてあります。壮絶な取調べの結果、自白してしまったそうですが、この被害者も国賠を起していらっしゃるそうですよ。「証拠不十分」で不起訴決定がなされても尚、「捜査に違法性はない」と徹底的に争う姿勢を見せている国なのです。裁判でも国は嘘の吐き放題でしょうから、Yさんの心の休まる時はないのかも知れません。勿論私は当事者ではないけれど、せめて気持ちだけでも寄り添いたいと思いました。

ここまで読むとイラつきのピークを迎えますが、自衛隊の警察組織である「警務隊」の無法捜査についてもこの章で書かれています。それは、航空自衛隊小松基地での出来事です。詳しくはP.91から読んで下さい。踏んだり蹴ったり、そこまでやるか!?でもこの濡れ衣事件は、結局、嫌疑不十分で不起訴だったのです。警務隊が散々捜査と称して家宅捜査までして窃盗容疑で書類送検したのに、不起訴!でも問題はこれでは終わりませんでした。防衛省への公益通報。理不尽な組織の仕打ちに敢然と立ち向かう事にはリスクが付きものですが、とても重要なのです。当事者の勇気、拍手喝采ですね。

第2章は、秋の夜長にほんわか気分で読む訳にはいきませんよ。大相撲の新弟子リンチ死事件や須賀川で起きた柔道練習中にしごきを受けて女子中学生が植物人間になった事件が頭を過りますが、その殺人訓練のあった2006年に、命を落としたのは若干20歳の若者でした。親御さんは当然納得がいきませんが、当日の異常な訓練の様子は、P.111から書かれています。裁判で被告は嘘を吐き通したようですが、その甲斐もなく(笑)、裁判そのものは原告の勝訴だったようです。「命の雫裁判」と呼ばれていますが、ここから現参議院議員の佐藤正久氏ついて三宅さんが言及しています。この危険な「徒手格闘」導入を積極的に推し進めていたのが佐藤氏だそうです。明暗2人の人生の境目は何だったのでしょうね。忘れていましたが、この章に書かれている護衛艦「しらゆき」の暴行事件も是非お読み下さい。陰惨陰湿の日常が垣間見えますから。再度言います。私なら大事な息子を自衛隊には入れない!

第3章と第4章は気力が萎えて斜め読み。
自衛隊と言う極めて特殊な組織の中で、順応できない者も確かにいると思いますが、もっと早く内部事情が分かっていたら、親としても入隊を躊躇うはずですものね。死んでしまったらおしまいです。いじめを見て見ぬ振りをするのは何も自衛隊に限ったことではありません。組織ぐるみで隠ぺい工作もよく聞く話です。要は自衛隊も警察と同じで、自浄作用が働かない組織だと言うことを知っておくべきでしょう。組織防衛が至上命令であれば、起きた事件は矮小化して組織の傷を小さくしたいでしょうから。最近、石破某氏が「軍法会議」だの「死刑」だの威勢のいいことを言っていますが、それでもまだ微かにシビリアンコントロールが効いている現状の自衛隊が、国防軍になったら、どんな事態になるのやら。空恐ろしい世の中が想像できますね。これも全ては自民党に投票した有権者がいけないのです。大事な息子が徴兵されて、戦場でも死ぬ可能性あり、戦争拒否で軍法会議でこれまた死ぬ可能性あり。本当に特に若い女性には真剣に考えて頂きたいですね。

ここで安倍総理に提案します!
数の論理でもう徴兵制や国防軍が回避できないなら・・・若い人を戦場に送らないで下さいね。口だけ達者なうちの夫は、62歳で長年ヘルニアを患っているので大したお役には立ちませんが、最前線での弾よけにはなりますから、どうぞ夫を徴兵して下さい。それもこれも若い人たちを戦場に送りたくないからですよ!余談が長くなりましたが、秋の夜長のお伴には、かなり怖~い三宅勝久さんの『自衛隊員が泣いている』を私からもおススメします♪





『自衛隊員が泣いている―壊れゆく“兵士”の命と心』三宅勝久著(花伝社)



*たちかぜ自衛官いじめ自殺事件ウィキペディア
*護衛艦たちかぜ暴行恐喝事件ウィキペディア
*さわぎり (護衛艦)
*時津風部屋力士暴行死事件
*須賀川市第一中学柔道部暴行傷害事件

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